アメリカ政府と野田首相     11月15日

 TPP参加の発表も反対勢力ががんばったために一日遅れとなり、どたばたの続いた野田首相です。
 それでも野田首相の参加の公表により、カナダやメキシコが参加を表明することもありました。この効果はアメリカの下準備の元に出来たことと思います。
 TPP参加国の首脳会談もありましたが、野田首相はここには出席させてもらえませんでした。日本はただ参加すれば良く、意見を言ってほしくないと言う事になるのでしょう。

 TPPでの首脳会議には参加させてもらえませんでしたが、オバマ大統領との会談で外交成果を日本向けにアピールする予定だったようです。
 TPPへの参加でアメリカに従う姿勢を示したのですが、結局アメリカ政府には裏切られ、国民向けに話すことと、アメリカ政府に約束することが異なっているという嘘を暴かれています。以下がそのいきさつです。

 ホワイトハウスは12日の首脳会談後に公表した報道発表文で、日本のTPP交渉参加方針の表明に対し、「大統領は全ての物品およびサービスを貿易自由化交渉のテーブルに乗せるとの野田首相の発言を歓迎した」と指摘。日本の外務省は同日夜、「そのような発言を行った事実はない」と否定するコメントを出していた。
 アーネスト副報道官は記者会見で、「両首脳が非公開で行った発言と(これまでの)野田首相や日本政府の公式見解に基づく発表」と説明した。(2011/11/15-07:23)

 平気で嘘をつくのも政治家の仕事かも知れませんが、本日の参議院の予算委員会で野田首相はこの件について「一言も言っていない」と否定しています。
 お米の市場についても開放するのかは明言しませんし、保険は守ると言っていたと思います。でもアメリカには全て交渉すると言っているのです。
 アメリカにこの様に二枚舌の真実を言われるとは思っていなかったのかも知れません。

 TPP参加に関しては、野田首相は国益という物を全く理解していなかった事が国会の場でも明らかにされています。外国企業の日本政府への訴訟を許すISD条項の内容を知らず、さらには国内法よりも国際条約が優先される日本の憲法を知らなかったのです。
 後から国会でのやり取りを読んだのですが、法律を知らなくてここまでの国益を売り渡す事が出来るかと思うと、本当に情けなくなります。

 さらには、野田首相は「何が何でも、国益を損ねてまで参加することはない。百パーセント、とにもかくにも(参加)ということではない」と言っています。結局何が本当のことなのか、分からなくなっています。
 出発前にはTPP参加を表明して首脳会談に参加しながら、アメリカに真実を公表されると参加しない可能性もあると述べています。誰にその発言を信じてもらうのでしょうか。国民向けなのか、アメリカ向けなのか、彼の政策は誰かに迷走させられているようです。

 日本の外国から見た現状は、TPP参加を公表したのだから、責任を持って参加してほしい。既にカナダやメキシコなど日本の態度を見て参加を公表したところもあるのだからその責任を果たしてほしい。となると思います。アメリカの意図したことでしょう。
 日本の現状は、嘘つきの首相はいらないです。野田首相がどの様な約束をしているのか分かりませんが、アメリカには都合の悪い約束もあったのでしょう。野田首相の役割はTPP参加の公表で既に終わったので、野田首相には辞めてほしいのかも知れません。

 日本のメディアはアメリカの報道を信じるでしょう。野田首相は嘘つきの首相として以後苦しい立場に追いやられ、支持率も失う中で辞任へとつながって行く可能性が高くなったと思います。
 結局次の首相がその続きをになうことになると思いますが、前回お伝えした様に、何らかの事件が起きて日本政府には圧力がかかるのでしょう。

 アメリカは日本の国民性も考えていると感じます。カナダやメキシコを参加に導いた責任を問われると、責任感の強い日本人としてはむげに断れなくなると思っているのかも知れません。外交には音痴ですし、何かあればすぐにお金を出す国ですから、市場も同じく差し出すと考えているのかも知れません。 

 どの様な形でTPPへの不参加の流れが出て来るのか、まだ分かりません。国益を大きく損なうTPPには不参加でよいと思っていてその様に願っています。カナダもメキシコも既にアメリカに追い込まれているので、TPPへの日本の参加はアメリカの横暴への牽制になると思っていたのかも知れません。

 まだまだ政治経済の混乱は続くので、起きてくる出来事にあわせて未来を見て行きたいと思います。流れはTPP参加で決まったわけではないと思っています。

アメリカ政府と野田首相
 2011年11月12日のアメリカ政府の報道と、外務省の報道、14日のJosh・アーネスト大統領副報道官の談話は、野田首相、内閣、政府の辞任と終わりの始まりかも知れない。
 15日の参議院の言った言わないの報道は、野田首相の嘘が国民を裏切っている証明であるのかもしれない。

稲生雅之
PS 今回の解析も明日にはデーターを公表したいと思います。以後翌日にはソフトのHPに公表するように致します。
 明日から台湾に行って21日に戻ります。フィリピン海プレートを見てきます。