ウクライナの停戦           9月16日

 9月の5日にウクライナでの停戦が合意に至り、これまでの所大きな戦闘が再発することもなく停戦は保たれています。うまく行っているように演出されていますが、現状停戦と言うよりも休戦という程度になる可能性が高まって来ています。
 ウクライナの国防相はEUより武器を供与されていると公表しており、これでは今後の停戦など成り立つはずはなく、戦闘の再開が目標として武器の準備が進んでいることを明言しているような物です。

 ウクライナはロシアの義勇軍とも言うべき介入により、ウクライナ東部での情勢を悪化させていました。やむなく停戦に合意した物と思いますが、戦う意志がなくなっているわけではないようです。すぐにも不利な情勢を覆して、ロシアの間接的な介入を排除したいと考えている様です。

 現時点でどれだけの武器がアメリカやEUから供与されているのかは不明です。この種の先進的な武器はまだ供与されておらず、ロシア製の武器が旧ワルシャワ条約機構の国々から流入する可能性があると指摘されています。これはロシア側の指摘です。
 西側の情報にはドイツとロシアの首脳同士の電話会談が報じられ、停戦の維持が重要であると強調されたとのことです。

 ウェールズでNATOのサミットが開かれて、その場でウクライナへの武器供与についての話し合いが持たれたとのことです。その結果がどうなったのかは分からないのですが、これを利用してウクライナの情報操作が行われている状況です。
 ロシアへの制裁が進んでいることはニュースでも流されており、これに対してロシアもさらなる制裁で答えるという状況です。望ましい流れではないのですが、停戦にもかかわらず制裁が進行するのは、自分たちの立場が不利である事を表しているのでしょう。

 今回のEUの制裁にはロシアの軍事企業への制裁が含まれており、ガスはまだ含まれていません。この意味ではまだEUとロシアには協調の成り立つ余地を残しています。
 これに対して米国の制裁にはガスプロムへの制裁を含んでいると言うことですので、こちらはまだ戦争をあおりたい様子です。

 ドイツの戦争を望まない姿勢は明らかな様子ですが、はたしてどこまで今の状態が続けられるか難しくなっているようです。ウクライナの望む停戦の崩壊につながる武器の供与が起きれば、ロシア側も対処せざるを得ないでしょう。
 停戦の崩壊を演出することで、ウクライナには何が手に入るのでしょうか。

 現状ではアメリカの間接的に近い支援が頼りで、EU関係国の支援は難しくなっているように見えています。
 経済という面から見るとEU内部にも動きがあり、イタリア出身のマリオEU中央銀行総裁がEU版のQE・量的緩和策に取り組もうとしているところです。
 ドイツはこれまで一貫してこの政策に反対してきており、ドイツの税金でEUの一部が救われる状況を起こさずに来ています。

 EUの景気が落ち込んでいるのは現実であり、景気に刺激も必要でしょうし、打てる対策を行う必要もあるでしょう。ロシアへの制裁で経済にもマイナスの影響が出ているはずなので、EU中銀も苦しいところだと思います。
 この状況でのQE実施ですから、これはドイツへの明らかな圧力になっています。ロシアとの協調を望むドイツへの圧力をかけることで、戦争による利益を求めることを望んでいる人々の存在を明らかにしているのです。

 旧ワルシャワ条約機構の国々にとっては、ロシアの脅威は今も現実的な物であるのでしょう。これに対してウクライナへの軍事援助で応じるか、それとも平和的な解決で応じるか、意見はまとまるところまで進んでいないように見えています。混乱を望む人々が戦争の再開を望んで動いているという感じでしょう。バルトの小国がウクライナに介入するのは非常にリスクが高い状況です。

 ウクライナに戦う気がある以上、このまま停戦が続くかは疑問になる状況です。勝てる戦いになるのか分からない状態での動きになると、政治的にただ混乱を目指す動きが求められて経済の混乱を招くのではないかと思えます。
 周りが納得する形でウクライナの破産を演出し、負債を消すという流れで進む感じが今もしています。ロシアももちろん資金という血を流しますが、西側諸国も同様に苦しい状態になると思えます。一時的に得をするのはウクライナですが、その先には損失覚悟の上での動きがあり、水面下でのロシアとの関係改善が起きてくるように動くと思えます。

 アメリカはこの動きを阻止するように動くのだと思いますが、EUはガスの混乱を最も避ける必要があり、長期の対立は望まないと思います。9月も半分が過ぎて、この先の混乱の演出準備が進んで来ていると感じます。
 ウクライナ政府の動きに注意が必要な状況です。

 9月の混乱は、ISISへの対処を含めてまだ続く部分を残しています。オバマ大統領のシリアへの介入が公表されましたが、こちらの動きはこれからの様です。今はマスコミを使ってISISを倒さなければいけない強敵に仕立て上げているところで、以前のイラクのフセイン大統領への演出を思い出すところです。
 有志連合がISISを叩くところに至るまでにある程度の時間が必要になり、11月の中間選挙前に一定の空爆が実施されるように進むのではないかと思います。

 この中にあって、イランが核開発計画の査察に応じていないというニュースが小さな扱いで流れていました。ISISへの対処に直接影響する話だと思いますが、この状況もよく分からないままです。
 アメリカではFOMCが行われ、経済の政策にも変化が起きるかも知れません。イギリスのスコットランド独立と合わせて様々な話題を提供する中で、大きな混乱を望んで動く様です。

 地震についてですが、本日のお昼にM5.6が茨城県南部で発生しました。今電気の流れは小さいはずなので、大きな揺れにはつながらず良かったと思います。ただ、抜けるべきエネルギーが一通り抜けたのではなく、南側に残りがあると思います。しばらくの間先送りになった状況です。
 祈り合わせにご協力頂いた方、ありがとうございました。2~3日早いともう少し大きく揺れていたでしょう。また、台風で関東の南側を調整しなかったら、同様に大きくなっていたことでしょう。ありがたいことです。

 14日には滋賀県北部でM4.0の地震が起きています。こちらは予想より北側で起きており、その分揺れも小さかったと思えます。ただこの地震はこの先の東南海エリアの北部の地震につながる物だと思います。同じようにみている人もいますので、このエリアへのリスクの上昇が感じられる物になります。
 他の場所も含めて大きくてもM6程度の揺れで調整が進むことを願っています。

 一週間に一度火曜日に日本地図のGPS計測による移動量が公表されます。ここでそのデーターを見ているのは今年の5月末からですので、十分な経験が積まれているわけではありません。この状態でも大きな変化があったことは公表が可能です。
 8月23日から8月30日までの間に日本列島の西側がこれまでよりも非常に大きく方向も変えて動きました。2週間分の動きを1ヶ月前の物と比較して移動量にしています。8月16日の物も参考として、それぞれデーターを添付します。30日の物が他の2つとは全く異なる状況になっています。

 8月23日までのデーターはそれまでの物とあまり変わらず、大きくても1週間で方向が0~20度の範囲で、大きさはそれほど変わることのない物でした。
 これに対して8月30日の物は、日本の西側が大きく動いたことを表しています。表示のスケールも1/3にしています。大きさも方向も大きく変化していることがご理解頂けると思います。この期間にこれまでの3倍以上動いたと言うデーターになります。

 その結果起きた地震が8月29日朝の九州沖のM6地震であり、今回の栃木県北部地震に始まる一連の地震です。地震の発生パターンはフィリピン海プレートの北西部や北部の緊張を表していましたが、今回のGPSデーターはこれを明確に裏付ける物でした。
 彼らの警告は現実の地殻の動きを反映しており、ここで調べる事の出来る情報よりも早く現実の変化を理解していたようです。やはり存在達にはよく分かっているのでしょう。

 今回のGPSによる変化は大きな物なので、こちらもこの先の変化が心配になるところです。ただ、こういった変化はこれまでにも年に何度かのレベルで時々起きていると思われますし、GPS上の動きが必ず地震につながるわけでもありません。難しいところです。
 こちらは地震の発生パターンとの兼ね合いを見ながら予想をしています。この種のデーターが2週間後でなくすぐに分かると良いのですが、それでも役に立つデーターになっています。こちらはこれまで通り、地震が気になる場合にここでお知らせ致します。
 正直しばらく要注意状態で見ています。

稲生雅之