F-22の初の実戦投入(10/9追記)10月7日

 ISISへの空爆が開始され、シリアとイラクへの爆撃が行われています。この爆撃による戦果がそれほど大きくないことは始めから指摘されていますが、一方で爆弾の消費と兵器の稼働によるコストの発生は軍需産業の利益となり、アメリカでは関連株式の上昇をもたらしているとのことです。

 トマホークなどの高価なミサイルに加えて、精密誘導爆弾の投入です。今は普通の爆弾よりも精密誘導爆弾を利用する時代なので、レーザーやGPSによる誘導をサポートされた爆弾が大量に消費されるのでしょう。
 こうしてみるとISISの脅威を演出している人々には、始めからこの軍需産業への利益誘導があったのでしょう。今のところオバマ大統領の中間選挙へのプラスの寄与は少ない感じです。

 同時に流されたニュースの中で、少し驚いた物がF-22ラプターと呼ばれるステルス戦闘機の実戦投入です。この最新鋭のステルス戦闘機を投入しても、戦うべき敵は高度な戦力をもつ部隊などではなく、どちらかというと少し遅れたアメリカの武器を戦力にしたイラクとシリアに展開するゲリラが規模を大きくしたような部隊でしょう。
 イラクにこれまでに渡してきた武器でF-22が撃墜される心配はないと言う事だと思いますが、なぜ今ここに投入するのか不思議に思っています。もっと重要な瞬間まで新兵器を隠さなくて良い物でしょうか。もちろんもう新兵器とは言えないのかも知れません。

 これまでの爆撃ではF-16や爆撃機が使われていると思いますが、こちらの戦闘機ではステルスがない分、敵に見つかって反撃される可能性は多少あると思います。それでもゲリラが持つ物は通常携帯式の対空ミサイルなので、高高度を飛行するF-16に向けて発射することは難しいと思います。
 F-22を実戦投入すると、こちらには整備の費用も発生し、ただでさえも高額な機体に見合った費用が発生するでしょう。F-16が2~3台分の費用でF-22が1台買えるというレベルのはずですので、F-22に何か起きると大きな損失につながります。

 シリアはロシアと関係が深く、アメリカはアサド政権を倒すことも視野に入れていると話していますが、結局ほとんど何もしないでISISに集中すると思われます。
 この状況の可能性が高いのでロシアとしてはF-22の性能を見極めるチャンスです。様々な新しい武器のテストに臨めることになるでしょう。この種のチャンスを渡す理由もよく分かりません。

 今回日中の戦争について本に書くのですが、戦争の詳細にまで至る検討をしています。F-22のステルス性能がどれくらいあるのかなど、その実態には興味と言うよりも戦争における情報操作がどの程度なのか、現実が分かるのではないかと見ています。
 F-22は日本のF-15やF-16と模擬的に戦って全く負けないと言われていますが、こういった戦いにはハンディがある物でその状況まで踏まえた検討が必要です。F-35を買わせたいという条件での操作ではないでしょうか。

 ウクライナの大統領が武器供与をアメリカ議会に求めた時、ロシアはアメリカに戦闘機のスクランブルをかけさせる距離まで接近しました。この時にF-22が出ているそうですが、ロシアからは爆撃機だけでなく、迎撃戦闘機も出てきたそうです。この戦闘機には高性能のレーダーが装備されているので、どの程度のステルス性能が出ているのか、ロシアは喜んでデーターを取ったことでしょう。

 ロシアの過去の発言によれば、F-22がステルスとして見た場合にゴルフボールなら、ロシアのステルスはテニスボールだとされています。見えないわけではなく、また、まねされない技術でもないと言いたいのでしょう。
 実際に電波の反射・吸収として考えるとフェライトと呼ばれる磁性体で機体を覆うことになり、かなり重くなると思います。重い石で表面を覆う感じです。重くなる分、戦闘機の機動性という動きやすさの性能は低下するのです。

 ドッグファイトと呼ばれるお互いが目で見える状況の戦いがあり、EUの主力戦闘機であるユーロファイターとF-22が戦った場合の状況も存在しており、この時はF-22が負けていると言うことでした。
 レーダーでは見えない戦闘機を、レーダー反射器をつけて見せることにしたり、エンジン性能を制限するなどして勝利条件を生み出した物と思われますが、赤外線で見るとF-22が50kmも離れても確認することが出来たという説明が印象に残りました。

 アメリカの空軍はこれまで実戦投入されなかったF-22を今回投入していますが、どうやら戦闘機のステルスの性能をアピールする必要があるのだと思われます。
 今アメリカではF-35と呼ばれる支援戦闘機の開発にトラブルを抱えており、実戦配備の計画が大幅に遅れ、日本の調達も遅れることになっているだけでなく、価格の高騰にも悩まされています。

 開発上の問題はソフトウエアの作成が大きく遅れていることと、ジェットエンジンのトラブル頻発です。ステルス性能にも問題があると言われていますが、こちらの状況はよく分かりません。公開されない重要な部分なので仕方がないのですが、これに対する反応がF-22の実戦投入ではないかと思える状況です。
 F-22はこれまで実戦で使われてきていませんので、その性能も未知数です。今回の実戦投入でF-35の為になにかアピールしたい事があるのでしょう。いずれニュースになると思いますので改めて調べる事になると思います。

 こちらがこれまでに調べた限りでは、F-35は大量の赤外線を放射する戦闘機になると思われます。レーダー電波ではある程度のステルスですが、赤外線ではF-22と比較出来ないほど検出しやすく、赤外線追尾の迎撃ミサイルを発射されやすいでしょう。
 加えて機体が重くてエンジン出力が足らないので、一般戦闘機とのドッグファイトはほぼ無理で中途半端な戦闘機ではない爆撃機になるだけなのです。バトル出来ない事は、F-16の設計者が指摘するほどひどい機動だそうです。

 F-35のジェットエンジンは1台で元エンジンの3割増しの出力を出す予定です。こんな事をすれば開発が難しいだけでなく、大量の高温燃焼ガスを一カ所から発生し赤外線ではその部分が目立つことにならざるを得ないでしょう。燃費も悪いと言われており、この点まず間違いなくF-22の2台の元エンジン搭載よりも不利だと思います。
 F-35は価格を下げる為のエンジン1台化ですが、デメリットが大きすぎたようです。

 本にはもう少し詳しく説明しますが、アメリカの軍備は旧ソ連という敵がいなくなって、国防が軍産議会複合体と呼ばれる人々の利益誘導の道具になってしまっているようです。実戦では大きな問題につながる物が、彼らの利益を理由にそのまま追求されている様なのです。機動不良を指摘する現場の人々が大きな反感を持つのも頷けると思います。

 日本もこれに巻き込まれていることをもう少し詳しく説明する予定です。F-35は期待外れになりますし、中国とのステルス戦闘を考えるならばまずい選択になるでしょう。
 戦闘機ではステルス性能に偏りすぎ、ミサイル対策ではイージス艦に頼りすぎなのです。巡航ミサイルの大量攻撃が予想されるにもかかわらず、愚かな事にこの点はほぼ無策です。

 一般に戦争を起こさせない為には、敵が仕掛けてきても跳ね返す力を見せることが必要です。現状では中国を戦争に誘うのみならず、長期戦に流して米軍の反撃に頼るだけの戦略です。これでは失う物が大きく軍産議会複合体が喜び国は疲弊し、本当に国土を防衛出来るのかも不明なのです。

 台風は浜松から茨城沖に抜けて行き、通過した場所である南海、東南海、東海、富士、関東南部のリスクを抑えてくれる働きをしたと思います。ありがたいことです。
 ただ残念ですが、9月20日までのGPSによる日本列島の移動量のデーターは、再び8月末と同じ動きをしました。恐らくこの経過が16日の地震や27日の噴火につながったのではないかと思います。この影響が今後どうなるのか、何か起きるにしてもまだ変化の途中かも知れません。

 今南の海上にもう一つの台風があり、こちらもフィリピン海プレートの中央部と北部に影響を及ぼす物と思われ、その影響が及ぶのは来週になりそうです。
 現状御岳の噴火の影響と思いますが、東海と、南関東には弱いリスクがある状況です。繰り返し出ては消える種類のサインですが、御岳の噴火も続いていますので、関東から関西、日本海側にかけての広い範囲での注意は怠らない方が良いと思います。
 日本の周辺地区を見ると、M5の連鎖は続いています。この種の調整の中にM6+が生まれてくるかも知れません。サインがあればここで公表致します。取り敢えず台風の通過した部分は調整のせいで大きくなりにくいと見ています。

稲生雅之
10/8追記
 北海道南方・釧路沖に地震のサインが見られます。今電気は流れにくいので大きくてもM6クラスと思います。小さな津波も可能性が否定出来ないと思います。
 昨日添付したGPSのデーターで見ると関東以西だけでなく、北海道にも動きが出ています。こちらの動きもある程度蓄積しているはずなので、注意を喚起したいと思います。
 本日月食を伴う満月で、トリガーの条件もここ数日続きます。南海上の台風は900hPaにまで発達しており、大きな調整を行うようです。バランスとして考えても日本の北側には日本海側も含めてリスクが高まると思えます。
 現状はまだその他のデーターを添付して注意を喚起するレベルではないと考えています。

10/9追記
 九州の霧島で以前噴火した新燃岳が再び噴火する可能性が指摘されています。マグマの供給が続いていましたが、このレベルが噴火前と同じになったそうです。
 韓国岳という入山規制のかかっていない場所、硫黄山から韓国岳、その北東側で広範囲に火山性微動も起きているそうです。気象庁の8日公表の情報です。
 GPSに見る地殻の動きが一段落するまで、エネルギーの供給が続く可能性があります。新燃岳だけでなく、韓国岳の周辺にも注意が必要でしょう。毎日新聞で記事になっていました。

 北海道の十勝岳でも9月の4、16,19日に火山性の微動が見られたとのことです。北海道にもGPSに見る地殻移動の影響が出ていることが明らかになりました。気象庁の情報です。
 東北の蔵王山でも本日の朝火山性微動があり、昨日8日には御釜と呼ばれる火口湖に白濁が見られたとのことです。こちらは読売新聞からで、ここにも注意が必要です。
 日本全体での活性化が現実のものになっているようです。