遠い過去を表すデンデラの壁画 11月11日

 ハドソン湾極時代の文明の存在を示すために、デンデラの壁画の説明をしたいと思います。デンデラ神殿複合体と呼ばれている遺跡にあった壁画です。主にハトホル女神を讃える遺跡であり、イシス女神の誕生神殿なども含まれています。
 ここには6~3万年前の天体図が残されている事に加えて、伴星情報も地殻変動情報も網羅されています。

 この天文図は現在はフランスのルーブル美術館に保管されています。ナポレオンの遠征後に持ち去られている状況です。
 情報の存在を知らずに壁画を見ると、作り手の意図した物が分からない様に配慮されています。女神ヌートの絵と対になって情報を発信しているのですが、こちらの絵は価値が理解出来ず難を免れたのでした。天体図とペアで人類の遺産と言うべき物なので、いずれエジプトに返却されるのではないかと思います。

 現在は不明な星座の存在する約2000年前の製作とされています。先史文明を認めないからだと思いますが、固有運動という星々の性質まで見落とされて意図の分からない物にされています。
 壁画は絵の中にある不自然な部分に注目して、その意味を考えることを促しています。

 デンデラの天体図には現在惑星と解釈されている固有運動の大きな恒星が神像として10個含まれています。サフとして描かれているオリオン座の東側に、エドフのハヤブサの絵がありホルス神としてシリウスを表しています。惑星ではないのにゆっくり動く星には神が宿ると考えていたのでしょう。
 天体図はハドソン湾極時代の6~3万年前を表すと思われ、シリウス到着前の時代のおおいぬ座は雄鶏で描かれています。6万年前、プロキオンはかに座の中心位置にありました。その為にかに座はその方向へ不自然にずらして描かれているのです。当時の星座としてシュメールの粘土板にも雄鶏とサフは残されています。

 図柄はシリウスを重複する事でオシリス、ホルス、ハトホル、イシスを並べハトホルの思いを伝えています。ここでは牡牛座の向きが不自然に逆に向けられています。これは彼ら四神だけでなく、スフィンクスのしし座など周囲の星座も含めてプレアデスで表す敵の牡牛座を追い払う図柄と思われます。この意図を伝えるために牡羊座も逆向きに描かれて、牡牛座を敵として孤立させているのです。
 牡牛座の顔を現すV字型のヒアデス星団、牡羊座の角を表す明るい星など、星と図柄の対応から逆に書かれている事は明らかです。エジプトには正しい方向に描かれている星図ももちろん存在しています。デンデラを参考にした人々が逆に書いている様でした。

 バビロンのイナンナ女神として描かれるイシス女神の矢はこの牡牛座を向いて、敵であることをさらに明確にしています。イナンナ女神の奥にはバビロンの星座であるエリドゥの星やニンマクが描かれており、協力して敵に立ち向かっていることを表しています。
 ぎょしゃ座には人が描かれており、壺か松明か分からない不思議な物を持って牡牛座に対峙しています。この位置にあるε星を調べると、今の科学でもよく分からない非常に珍しい変光星でした。重く大きな巨星の回りをブラックホールが回っているらしいのです。これを差し向けて敵を追う構図は、天体の正体を知った上で考えた物だと思われます。

 固有運動の大きな星は、シリウス、プロキオン、アルタイル、アークトゥールス、うお座γ、おおぐま座θ、エリダヌス座ラナ、クジラ座τ、ヘルクレス座μ、へび座γとなります。これらの星々は神々として杖を持ち描かれており、他の星座との区別を可能にする配慮がなされていました。

 当時の人々もこの動きを知り違和感なくこの天体図を見ていたのでしょう。一部は惑星と解釈されていますが、恒星と考えないと最重要なシリウスの表現が説明出来ません。
 この中ではシリウスがエドフのホルスの化身であるハヤブサで描かれています。中央下部の目立つ位置にある柱に止まったハヤブサが、シリウスの本来の位置であり6~3万年前を表しています。これまでホルス神がシリウスであると認められなかった部分でしょう。

 関連情報になりますが、エジプトの遺跡はオリオンミステリー説として知られる星座と地形を重ねた物になっています。これまでの所エジプト人の重視するシリウスに相当する遺跡がないので、この仮説は否定される事が多いのです。
 当時のエジプト人はシリウスが動く星である事を知っていましたので、位置の決まった星座や遺跡で表すことが出来ず、ナイル川の動く流れでこれを重ね表現したのでした。ギザのピラミッドはもちろんオリオン座です。

 ナイル川を天の川に見立てると、塔型ピラミッドはカシオペア座のシェダルであり、屈折ピラミッドと赤ピラミッドが牡牛座のヒアデス星団のアルデバランと固有名のないε星に相当すると思います。ファイユームオアシスはアンドロメダ座とアンドロメダ銀河であり、こと座のベガはSannur Caveでしょう。ピラミッドに指し示されている星々の星座が表現されています。
 オリオンミステリー説はBC1万500年頃の夜空としていますが、伴星軌道で計算すると約1万4320年前の夜空になります。

 デンデラはハトホル女神の神殿ですので、夫ホルスを讃える部分が多く描かれています。
 三角座の位置にホルスの目として知られるウジャトの目が描かれています。天の中心にも聖獣に支えられるハヤブサが描かれており、天の動きを司っています。そして天秤座では円に入ったホルスの正義の天秤が描かれ、偽善のプレアデスとの区別を明らかにしています。

 魚座の近くで円に囲まれた女神がトートのしっぽを捕まえている部分は日食を表すと言われていました。実際にはこの図柄で2062年の伴星近日点が太陽の春分点位置に描かれているのです。29834年周期で黄道12宮を一巡する春分点位置の中で、伴星の位置を表しています。
 ここではホルスに代わってハトホル女神が天体の情報を教えてくれています。天体部分で円に囲まれ強調されているのはホルスのウジャトの目と、正義の天秤と、このハトホル女神であり、デンデラの主催神である証でしょう。

 隣には天を表す女神ヌートの絵があり、爪と指でエジプトの暦のソティス周期1460年を連想させています。女神ヌートは手のひらを正面に向けながら、親指の爪だけ90度回転して描かれている不自然な構図です。手の指の向きは試してみると難しいです。
 絵には30本に編まれた髪と、13隻の船と神々が描かれており、30日×12月と5閏日の13月を表現しています。隣に360日時代の天体図を並べる事で、3万年前の1年360日から365日への暦の変化を表している様です。

 爪に注目して数を探すと、1460,1461,2012,2015,2148,4160などが導き出せるのです。全てが意図して描かれているかは明確でないのですが、他の部分との組み合わせで見るとその意味が明らかになる物があるのです。
 船は7段に描かれており、30+7=37、船の総数が13であるのは
2012+37=2049 伴星接近時の電流の影響の始まり
2049+13=2062 接近のピーク
2062+13=2075 影響の終わり
で表現する伴星の接近状況を表していると思われます。

 女神ヌートの絵は天と地の状況を表す事が多く、この図柄の下の部分は大地になります。その部分で手足の指と爪の数を利用して表す時期には、AD4160年の地殻変動を連想させる部分が意図されているのではないかと思います。
2012+2148=4160
 これらはギザの第一ピラミッドにも組み込まれている数値と計算式の表現であり、この構図にもそのまま利用されている様です。
 屋久島も表現している2015は地殻変動につながる富士山の噴火リスクの始まりを表している様です。同時に情報公開も表していると嬉しいところです。

稲生雅之
イオン・アルゲイン