エジプト神話とホツマツタエ

 この記事は日本人の祖先が伝える歴史と富士山の噴火(要約版)に入れたい情報だったのですが、少し長くなりすぎてしまったので、こちらでの紹介です。

 先史文明の時代は一般向けには高度な科学の情報が隠されていたと考えています。それでも必要な事を伝えるために普通の文章に様々な情報を工夫して入れ込んでいるのです。その為に注意してみないとその存在は分からないのです。キトラの天文図もデンデラの天文図も、その本来の持つ意味が理解されないのです。
 先史文明は存在しないという常識が足を引っ張って情報を無視する事になる事例については、天文図に加えてもう一つ例を挙げておきます。エジプトの神話と日本の文字で書かれたホツマツタエです。これらを見る時先史文明を除外して考えると、情報の存在に気づかないのです。

エジプト神話より
 エジプト神話の中のオシリス神話の一節です。人類の至宝・英雄伝で人々に歴史だけでなく大切な倫理を説いた歴史家プルタルコスの伝える物です。信頼出来る当時の伝聞事実を伝えているでしょう。
 レアはクロノスと密かに契り合いましたが、それが太陽神の知るところとなり、彼はレアに呪いをかけて、いかなる月にもいかなる年にも子を産むことなかるべし、と申しました。ところがこのレアをヘルメスが愛して交わり、それから月と将棋を指して勝ち、彼女の輝きから70分の1を取り上げ、その取り上げた70分の1を5日として集めて、360日に付け足しました。この付け足された5日を今日のエジプト人は閏日と呼び、神々の誕生日として祝っています。第1日目にはオシリスが生まれ、・・・・

 暦に関連する数字としては、何度も出てくるのは数字の7であり、14,28,56となってゆきます。14は後で復活するオシリスを殺して刻んだ時の数ですが、以前の月の1年14周につながる数字ですし、28,56・・の倍数は春分点のずれを計測する年の単位です。72も出されていて12×6であり360×12×6=25920年になる事を伺わせています。そして月が失った物とは、軌道が地球から遠くなった事による明るさの意味でもあるのです。月への当時の距離は軌道を計算すると平均35.06万キロですので、月の光量を距離と立体角の変化から計算すると現在は当時の69%でした。そして7は360×12×7=30240年です。私たちは本当に何も知らなかったのです。
 さらにここで使われた70分の1も360/70=5.14・・であり、今の1年が365日より少し長いことを伺わせるようにされています。話の内容がタブロイド紙的で突飛すぎるのですが、これが記憶に強く残る心理学的な工夫なのだと思います。
 70%を計算してみた時に、その結果には本当に驚きました。隠すための工夫であり、意味を考える人以外には無意味な数字なのです。

ホツマツタエ(甦る古代日本の真実・千葉富三・編著)より
202天体運行 日の赤道 月の白道
日の径 百五十トメヂ
月の程 七十トメチ内
日の巡り 中節の外の
赤き道 八万トメチの
月を去る 月の白道
四万ヂ内 地球径
百十四ヂの 周三百六十
~ 一遅れ 三百六十五度
 この文章では円の一周が360度にされています。これはハドソン湾極時代の一年360日を表しマヤの長期暦にも残されています。この時代は365日であることも出ています。さらに直径が114で周長が365にされています。円周率は3.2くらいであり、わざと116の3.14にしていないのです。
 ここに出てくる70もエジプト神話と同様に70%を連想しますし、月の直径の2倍でも良いです。150は1天文単位の長さです。4万はメーターで表す地球の周長ですから、当時の人々が隠すために遊んでいるだけに見えるのです。
 ホツマツタエの204年中行事 年分 煎豆 鬼遣らいには、季節を8等分する月の名前が出てきます。エヒタメトホカミの順ですが、大阪と奈良に組み込まれている70,11度の直線と東西のマス目の道で日の出の位置により時期が特定出来るのです。当時使われていた暦がここに残されているのかも知れません。
 遺跡の立場では藤原京の箸墓古墳で1区13尋という換算を見ています。13倍が何故使われているか不思議に思っていましたが、76瓊瓊杵 新田開発へ新治宮造営の中に十三膳天と言う言葉が出ていました。建造の祝い事に使われる13個のお膳を表し日と月の12を加えて13とのことです。これなら13を吉とする可能性くらいはあるでしょう。

 現在は偽書として扱われていますが、360度の部分にしても遺跡の状況を反映する部分にしても、日本書紀と古事記にはない部分であり、研究の対象であるべきだと思います。
 古事記も日本書記も漢文であり、当時の日本が北京にこの部分で屈したようにも見えるのです。この時期に多くの日本古来の文章が抜き取られている可能性があるでしょう。もし残っていれば岡山における戦いの記録などは真っ先に抜かれたはずです。
 研究者が問いかけている中では、ホツマツタエの中では天照大神は男神です。女神にされたのは推古天皇を可能にするためと書かれていますが、6300年前からの長い歴史の流れの中で女帝が必要になったことは何度もあったと思います。特に有名なヒミコなどはその前例ではないかと思えます。都合に応じてこの種の書物を書き換えていた実証でもあり、その差をもっと詳しく研究すべき部分でしょう。
 ホツマツタエでは太陽神も月神も男神だったことになっており、太陽を信仰する光速度側と、月の暦を重視する2の12乗根側の争いを表していたのかも知れません。この状況において太陽神である天照大神を女神にするのは、2の12乗根側の都合とも見られるでしょう。月読神は日本の神話の中ではほとんど活躍せず、当時の日本において役割を与えられない敵の立場でした。この状況において天照大神を女神に変えるのは、ヒミコを正当化する政治的な都合か日本の男性的な物を骨抜きにしたい勢力の都合でしょう。月の方が男として太陽よりも勝るのは北欧神話が有名で、もちろん2の12乗根側の都合であるからこその話だと思います。

 先史文明の痕跡があからさまに残る物は、敵に標的とされて焚書されてしまうでしょう。この意味でこの様な方法でしか残せないのだと思います。
 エジプトの神話もその全てが残されているわけではなく、失われている部分もあるでしょう。世界に共通する洪水伝説を持たない分、代わりの何かがあったように思うのですが、この点分からないままで残念です。
 古事記、日本書紀に記載される天皇は41代であり、ホツマツタエの12代よりも長くなっています。その分あとの時代に書かれた物であると思いますし、日本の文字から外来の漢文に変わっている時点で、歴史の断続を表していると考えるべきでしょう。自国の文字を捨てて外国の文字が政治の主流になる時点で、その影響がいかに大きかったかを考えるべきです。当時の大切な心を失わされたのであり、ホツマとの差にはその状況が明確に現れていると感じます。私達には消されてしまった歴史の重さが分からないのです。
 残されている関連文書の発見が増えれば、当時の状況がより詳しく分かるでしょう。太子の関連や古来の文字の文書などまだ見つかる可能性があるのであり、関心が高まれば偽書として日の目を見ることなく情報が消えてゆくことを防げると思います。
 旧約聖書の中の暗号も統計評価しないと分からない物であり、情報を隠すと言うことにおいて当時の人々は様々な工夫を残しています。高度な技術であり、人間の心理も良く理解しており簡単にはそれと分からない配慮が行き届いていると思います。

 余計なことになるかも知れませんが、家系の男子を世継ぎとする現行の天皇制には問題があると思います。側室をたくさんおかない限りこの伝統は機能せず、日本の皇室を失いかねないでしょう。これでは古来より伝えてきた血筋よりも大切な伝統という物が失われてしまうと思います。
 私達の価値観が変化して一夫一妻が皇室にも定着する以上、女系の天皇にも道を開いてしかるべきでしょう。ヒミコの例に倣うべきです。現実の世界では万世一系といいながらも、他の血筋が成り代わりで皇室に入り、明治天皇でさえその様に言われているのです。DNA鑑定は現代の物であり、過去において権力者により決められる世継ぎを認めることは常識です。成り代わりなど簡単であったのです。調べる気になれば簡単に分かる現実でしょう。

 こういった現実を無視してきれい事を述べても、大切な伝統を失うだけです。私達は何を守るべきかを考える所まで来ているのです。皇室の権力闘争は過去から延々と続いてきた物であり、そこにどの様な意味を見いだすかを私達が考える時です。
 個人の意見ですが、現在の直系の第一子の継承で良いと思います。血筋は何度も権力者に変えられているのであり、守るべきは伝統であって血筋ではなくなっている現実を認める所まで来ていると思います。昭和天皇も、現在の天皇陛下と皇太子も私は個人的に尊敬出来るので、日本の国民を守る目線の皇室が今後も続くことを願っています。天照大神を女神にしてきた伝統からすれば簡単な事でしょう。国民の尊敬を集められる方ほど、望ましい方はいないです。その地の人々の苦しみを思い、福島を何度も訪れるその立派な姿に涙しています。私は努力が足りなくて明らかに存在する科学としての放射能の問題を、まだ広めることが出来ないのです。放射能問題への思いは同じではないかと思えるのです。

稲生雅之
イオン・アルゲイン

平成29年6月22日(木)追記
 ホツマツタエに875日という数字が存在し、ハドソン湾極時代の暦の数値を伝えていることが明確になりました。この部分は本日の記事を参照下さい。
 この記事にも見直しをしており、一部修正が必要なのでその部分を説明しておきます。

 上記文中のホツマツタエに紹介した、周三百六十という表現ですが、この行の改行部分に五トメヂのという続きが出てきます。114/365=0.312ですので、円周率を3.12で表現していると考える方が普通でした。
 こちらが360度にこだわるので、この改行に引っかかったという話になります。どうしても間違いをする物だという事で、あえて残しておきます。

 ホツマツタエには 7 三百六十度 天の巡りのト矛法 という章があり、ここで天の巡りが360度にされていて円の一周が360度にされており、ハドソン湾極時代の数値の名残と見る事が出来ます。

以上