富士山のマグマ溜まりと熊本地震の影響8 5月24日 5月27日追記

 今月一杯は熊本地震とフィリピン海プレートの動きに注意が必要です。奄美大島から北海道までの太平洋側と、紀伊半島、関東にリスクが高まっています。

稲生雅之
イオン・アルゲイン

5月24日追記
 昨日の夜長野県北部に地震が起きた後で、関東に2つ地震が連鎖しました。茨城県沖にM4.1深さ60km震度3と、千葉県北西部にM4.2深さ70km震度2です。
 茨城県沖の地震は長野県北部が動いた事で、この震源地から東側のフィリピン海プレートの境界が動きやすくなった事による地震です。以前のイラストの北側の線に乗る地震でした。
 千葉県北西部の地震は伊豆東部火山群の群発地震の位置であり、この場所での深発地震は小さな物が続いていましたので順当な発震です。ただ、上記の茨城県沖の地震も伊豆東部火山群の物と考える事が出来るので、この場所に抵抗を受けた事により南側の関東に地震を誘発したのかも知れません。
 関東エリアには先日のM5.5から続く地震です。予想している地震が続いて有感地震が増えているので、M5レベルにも注意が必要な状況だと思われます。
 本日のGPS変動データーですが、注目している富士山のデーターがありませんでした。異常値が続くので確認中なのか、それとも今回が少し大きく異常になったのかは分かりません。残念ですが状況は不明瞭です。
 GPS変動は富士山近傍にも時々出ていました。これを加味すると山北という東側でのデーターに上下動の異常が見られます。富士山のマグマ溜まりの状況は活性であり、周囲にも影響を及ぼしている可能性が高いです。
 新燃岳の噴煙は思うほどには強まらずに推移しています。今回は気象条件による雲の増大との区別が今のところ難しいです。もうしばらく様子を見る事になりますが、群発地震に続きがないので今回はここまでかも知れません。
 全体として広域に富士山のマグマ溜まりのリスクが明確であり、ここに御嶽山と九州の火山のマグマ溜まりが加わります。伊豆諸島も活性化しており関東の地震を増やしている状況です。南海トラフと紀伊半島の地震には注意が必要でしょう。南北の中央構造線に関連する部分です。動きとしてはユーラシアプレートの東に進む動きと、フィリピン海プレートの北上する動きの重なりが地震や噴火活動に影響しています。
 これまでになかった変化としては青森県西部、津軽半島に深発地震が起きており、北海道の渡島大島や岩木山から鳥海山までの動きにも注意が必要になりました。フィリピン海プレートの押しの強さを教えると共に、こちら側の地震にも注意を喚起しています。
 イラストには富士山の北側の小さな深発地震は載っていませんが、9時過ぎの発震の様子です。東側にも矢印をつけた地震が起きており、昨日の三浦半島の深発地震から続いて影響を受けている物と思われます。この先に変化を促しうる地震ですので、注意をお願いします。富士山周辺での地震も可能性が高まったと思います。
 太陽風は低速になりつつあり電気も気にするレベルには届いていません。地震が起きても大きな被害にならない事を願っています。

富士山とフィリピン海プレートの東側の火山のマグマ溜まりについて
 これまで富士山のマグマ溜まりの活動域と箱根山から三宅島までのマグマ溜まりの活動域についてその活動状況を説明してきました。富士山のマグマ溜まりの影響域が奄美大島から北海道東方沖まで広がっている事に気づいたのもここ1ヶ月です。
 今回三宅島のマグマ溜まりが活性化した事で、その活動域が明確になりました。地形的な特徴から見て三宅島と言うよりも南側の御蔵島の下辺りに、マグマ溜まりの活動域がある様に思えます。まだまだこの先も統計評価をする事で広がりを見せる可能性はありますが、富士山のマグマ溜まりだけでなく箱根山から三宅島のマグマ溜まりまでは日本の地震に対して大きな影響を持っている事が明確になりました。
 これらの火山は富士山のマグマ溜まりの南側に位置する事で、その活動を同時に起こす事もあるのではないかと思います。その様な時にこそ南海トラフの連動や東北エリアでの連動が起きやすいのではないかと思います。
 イラストに富士山と三宅島のマグマ溜まりの影響域を載せましたので参照下さい。三陸沖まで三宅島の活動が影響していた事に加えて、東南海エリアにも伊豆東部火山群が影響していました。2004年9月5日の東南海エリアのM7.4地震、2005年11月15日のM7.1三陸沖地震、2012年12月7日のM7.3三陸沖地震がその例になります。三陸沖地震が起きた2ヶ月前後で三宅島は噴火に至っていましたし、伊豆東部火山群は5ヶ月ほど前ですが群発地震を起こしていました。それぞれが群発地震の列を明確に見せています。

 今回は富士山のマグマ溜まりに加えて三宅島も火山性微動に現れるように活性化しています。伊豆東部火山群は昨日から今日にかけてM4クラスですが、群発地震を起こしています。これらが同時に動くようであれば、広域に連動地震が引き起こせるでしょう。
 もちろん滅多に起きない事だと思います。今回は富士山のマグマ溜まりがマグマで一杯になりつつある事が背景にあると思います。これに加えてフィリピン海プレートの北上する力が2015年12月くらいから強まった事が主な原因だと思います。西之島の噴火の停止がこの様な形になって表れていると思います。
 フィリピン海プレートの東側の火山の状況は常に変化していますので、硫黄島がさらに活性化したり他の海底火山がこの先噴火する事にも可能性があるでしょう。伊豆大島や三宅島も噴火出来るので、まだ富士山を噴火させる事なく先送り出来ると思います。過去の連動が頻繁でない現実には、マグマ溜まりとフィリピン海プレートの活動状況が重なる中で連動へと影響していたのだと思います。今回どうなるかはこの先の変化を見守るしかありません。
 富士山が大きく動く時には、回りの火山のマグマ溜まりも大きな影響を受けることが分かりました。今回の三宅島の活性化は5月12日の台湾地震による影響です。この時のマグマ溜まりの潰れが奄美大島を経由して琉球列島を動かし台湾付近の地震になっています。富士山のマグマ溜まりがこれだけのエネルギーを送り出す上で、地下の歪みが近傍の火山のマグマ溜まりに影響した結果が三宅島の火山性微動になって現れたのでした。
 過去の例ではマグマ溜まりが活性化すると群発地震を起こします。311地震では栗駒山以外の火山のマグマ溜まりが地震以降に活性化し群発地震を起こして余震域を広げています。今回の熊本地震も阿蘇山の噴火や新燃岳の活性化と火口周辺での群発地震などを引き起こしています。
 富士山についてはこの先の未来にはさらなる注意が必要になる事が間違いないでしょう。いつまでも富士山の噴火を止める事は出来ないと思います。今回は台湾のクーデター対策の様に見えるので、この状況次第で大きな動きにはならずにすむと思いたいところです。台湾の平和と富士山の安泰を願って頂ければ幸いです。

 18時48分に岩手県沖でM4.3深さ50km震度4の地震がありました。この地震は十和田湖か八甲田山の分だと思います。上記の青森県西部の深度地震の影響がこちらにまず出てきた物と思います。岩木山に影響が出るかと思いましたが動けるところが動く様子です。まだまだ連鎖を予想する経験が足りないようです。
 東北・北海道の西側に何か変化が起きるのか注意しています。今後の噴火と地震の科学が連鎖のメカニズムを考える上での例になれば良いと思っています。

 20時56分に大隅半島南東沖でM4.2深さ10km震度1の地震がありました。この位置は桜島、霧島山、富士山のマグマ溜まりの交点付近です。気象庁には載らない地震でした。
 大きな地震ではありませんが、桜島の活性は間違いのないところです。霧島山にも影響すれば、新燃岳の噴煙が大きく変化する事につながるかもしれません。霧島山周辺の小さな地震も増えていますので、今後の変化に注意が必要です。どちらのマグマ溜まりの潰れが起こした物かは今後の変化を見るまで区別が難しいです。この位置の地震がそれぞれの火山にマグマを供給することは過去に説明した通りです。双方をさらに活性化するでしょう。
 この位置は群発地震になってもあまり大きな地震にはつながらない場所です。富士山のマグマ溜まりもエネルギーを感じさせる状況です。

5月25日追記
 変化は続いており、昨日の薩摩半島西沖の地震を経て紀伊水道と和歌山県北部に小さな地震が起きています。熊本を経由して紀伊半島西側まで影響し、東側の調整を促しているように見えます。今回は少し多めの群発地震になっていたので、同時に九州の余震についても29日前後の半月の時期に注意が必要になりました。
 上記に書いた大隅半島南東沖の地震は、霧島山にも影響をしている様子で噴煙を多少強める働きになっています。イラストに載せました。この先の火山性微動の発生や噴火にまで注意が必要でしょう。
 伊豆諸島では様々に変化が見られています。伊豆大島の西側から新島・神津島にかけて表層の地震が増えており、マグマ溜まりの活性化を表しています。加えて三宅島の直下で地震が起きており、深さ100km前後からマグマ溜まりを刺激しています。三宅島は火山性地震の震源分布図が公表されているので、その変化をイラストに載せました。地震が火道を上に向けて増えて来ていることが分かると思います。関連する群発地震だけでなく今後の噴火に至る可能性も含めて注意が必要です。
 宮城県沖の地震は栗駒山の関連地震です。磐梯山・吾妻山の下部でも地震が起きておりこちらにも注意が必要です。桜島の北側の地震も桜島の活性化につながるでしょう。霧島山にも影響が及ぶかも知れません。
 台湾の件ですが、4月に前政権の起こした沖ノ鳥島は島でなく岩であるという主張を取り下げるというニュースが流れています。2014年の学生運動も告訴しない方針が明らかにされるなど平和に向けた動きが公表されています。クーデターは難しくなりつつあると思います。台湾の平和と富士山の安泰を願って頂ければ幸いです。
 伊勢志摩サミットは明日明後日です。状況は煮詰まっておりここに合わせた動きになるのか注目しています。地震活動としては半月の前後に注意が必要です。今月末までは状況を引きずると思いますが、大きな地震にならないことを願っています。

 14時22分に青森県東方沖でM4.8深さ30km震度2の地震がありました。青森県の西側にはまだ影響が出ていないと思いますが、この分は北海道駒ヶ岳か有珠山のマグマ溜まりの分になると思います。5月21日に北海道駒ヶ岳の直下100km前後で地震がありましたし、今回の青森県西部の深度地震もあったことで、影響が大きかったのだと思います。
 この位置は、北海道駒ヶ岳がこの付近に大きめの地震を起こして噴火をする事があると考えている場所です。北海道駒ヶ岳の活性化状況は微弱地震で評価出来ないので分からない部分がありますが、有珠山も樽前山も含めてフィリピン海プレートの北上による影響を受けていると思っています。
 たくさんの火山に影響が出ていますが、ここは噴火するとは限らないと思います。これまでのプレート運動による一時的な影響を受ける火山が多かったと思います。北海道駒ヶ岳は2月に少し活性化しましたので、その時の影響も残っていると思います。この意味で噴火の可能性は三宅島や樽前山よりも低いと思いますが、有珠山も含めて今後の変化に注意が必要になりました。

 夕方に新燃岳の様子が見えて、噴煙が高まっているところが確認出来ました。イラスト参照下さい。火口縁の外側にある裂け目付近からも小さな噴気が上がっています。
 気象庁の4月の資料では新燃岳は火口縁を超える高さまで噴煙が上がることがなかったそうです。5月はここに紹介しているように何度か火口縁を超える高さに噴煙が上がっており活動的になったことを表しています。地殻変動が進んでいる中での活動ですので、今後も変化に注意が必要でしょう。
 大きな変化なく時が過ぎています。どこに変化が出るのか調べていますが、まだよく分かりません。三宅島のマグマ溜まりが富士山の5月12日の活動により刺激を受けた話を書きました。御嶽山は同じ時期に噴煙を強めています。白山も火山性地震にマグマ溜まりの潰れを示唆する変化が同時期に現れていました。フィリピン海プレートの押しが大元の原因と思われるこの分に気づいたのですが、こうなると南海トラフの連動のメカニズムの一部になり得ることが分かります。
 富士山のマグマ溜まりが活性化するときに、周辺のマグマ溜まりも多くが影響を受ける様子です。富士山の南側の火山一通りだけでなく、御嶽山も白山も影響を受けている様子です。次に富士山のマグマ溜まりが大きく動く時に、御嶽山も白山も群発地震を富士山のマグマ溜まりとの交点に起こしやすくなるのです。
 今回は中央構造線が南と北で動いているので、富士山のマグマ溜まりも活性ですが、ここに届く前に構造線にエネルギーを渡して交点付近に群発地震を起こす可能性の方が高いと思えます。紀伊半島、志摩半島、南海トラフのリスクはこの状況にあると思います。
 富士山との間に交点はありませんが近くを刺激するという意味で三宅島も新島・神津島のマグマ溜まりも活性です。その結果で東南海エリアの地震には可能性が高まります。
 結果を見るまで分からないのですが、九州から北海道まで多くの火山も噴火してもおかしくない状況を続けています。どこから何が起きるのか注意して見ています。連鎖に可能性が生まれてくる部分などは可能な範囲で明確にしてゆきたいと思います。

5月26日追記
 昨日の青森県東方沖に続いて、三陸沖でも地震がありました。M5.0深さ10km震度1です。気象庁の載せない分であり、防災科学技術研究所の震源図ではM4クラスで、深さも100km前後の様子です。
 この地震の元は推定がむずかしい状況です。富士山も三宅島にも可能性があります。この二つよりも有珠山か北海道駒ヶ岳の可能性が高いです。八甲田山も活性化しているので可能性は否定出来ないところですが、青森県東方沖の地震との相関からここでは有珠山か北海道駒ヶ岳の活動と考えます。原因になった青森県西部・津軽半島の深度地震の影響が続いていると思います。
 このエリアが活性化する理由はフィリピン海プレートの押し上げとユーラシアプレートが長野県北部から福島県南部を東へ押す力の引き起こす歪みだと思います。マグマ溜まりの潰れを生み出しやすい部分が影響を受けて現在の状況があると思います。噴火につながる可能性も否定しませんが、群発地震が続くと考えるのが順当に思われます。
 変化を気にしていたこともあり今朝は5時過ぎに一度目が覚めました。火山の状況を二つイラストに紹介します。新燃岳は今は噴煙を弱めていますが、この時間には火口縁を越える噴煙を上げていました。御嶽山は分かりにくいと思いますが、水平方向に長く噴煙を左側に流しています。どちらも活動的である事を表しています。
 新燃岳は群発地震の位置に小さな地震が続いています。この先も時々活性化する状況です。地殻変動を伴っているので噴火してもおかしくない状況があり紹介を続けています。御嶽山は今後の地震や小規模の噴火につながる可能性が高いと考えています。
 新島・神津島のマグマ溜まりの深い位置に地震がありましたので、こちらにも影響が強まる気配です。伊豆東部火山群も影響を受けているので東南海エリアにはリスクを指摘しますが、台湾に大きな地震が起きない限り南海トラフの連動地震の可能性は低いです。

 8時1分に母島の北側でM4.9深さ17kmの地震がありました。世界の地震を公表しているIRISサイトの情報です。
 この地震は比較的浅い17km位置での発生ですが、太平洋プレートとフィリピン海プレートの境界付近の地震なので、この境界に添って遠方まで地震波を届けるタイプです。このHPの古い記事で紹介しています。
 今回のこの地震は境界に添って地震波を届ける過程で、その揺れによりフィリピン海プレートの北上する動きを促す働きをしています。その結果関係する火山のマグマ溜まりが潰される影響を受けており、8時以降に火山性地震を活性化させています。
 イラストに7つの火山のデーターをご紹介しました。白山、富士山と箱根山は分かりやすく、御嶽山は少し分かりにくいですが、8時の地震波が届いていることは確認出来ます。三宅島も元々活性化しているので分かりにくいですが伊豆東部火山群も新島・神津島のマグマ溜まりも影響を受けていることは明らかです。
 この様な感じの影響を5月12日の富士山は三宅島に送り届けて火山性微動を発生させています。今回はフィリピン海プレートの分かりやすい北上の動きが生まれたので、ここに紹介出来るほどの明確な影響が現れています。北海道から東北の火山にも影響の及んでいる物がありました。九州は影響が少ないです。富士山と諏訪湖の近辺の境界線の曲がりが大きく、地震波の振動が抑制されエネルギーが伝わりにくいためだと思います。
 4月の熊本地震の影響による中央構造線の南北の動きがなければ、白山と御嶽山のマグマ溜まりが影響を受けて富士山のマグマ溜まりの位置に群発地震を起こしやすくなります。交点を刺激された富士山が大きく動く時に南海トラフの連動を起こしやすいという過去の現実を教えているようです。
 白山と御嶽山の影響は紀伊半島の南北の中央構造線との交点付近に出やすくなったと思います。富士山のマグマ溜まりの影響は三宅島の小噴火で一時しのぎをする事も出来ると思いますし、フィリピン海プレートの北上を調整すればさらに小さく出来るはずです。この変化も待っているところです。
 影響はこちらが強まる予想ですが、マグマ溜まりは中部から東日本の一通りが影響を受けていますので、関連する地震と小規模の噴火に注意が必要です。

 16時16分に神奈川県西部でM2.7深さ10km震度2の地震がありました。上記の影響を受けた分と思われます。以前指摘したフィリピン海プレートの境界線上の地震も促されていると思いますので、関東の北側とここから諏訪湖にかけての領域にも注意をお願いします。
 17時17分にも同じ場所でM2.0深さ10km震度1の地震がありました。マグマ溜まりの影響である事を示す群発地震になっています。ここだけなく影響域に注意をお願いします。

5月27日追記
 昨夜から今日にかけて福島県沖にM3.2震度1(吾妻山)、宮城県沖にM3.7震度2が2回(栗駒山の誘発地震)、青森県東方沖にM4.3震度1が起きています。宮城県の物は気象庁の載せない地震です。
 フィリピン海プレートの北上する動きに対応する地震です。青森県東方沖の地震は昨日に続いて北海道駒ヶ岳、有珠山か十勝岳かの区別の難しい地震です。北海道の火山のマグマ溜まりに広く影響している様子です。この領域の群発地震としては北海道駒ヶ岳の状況の変化に注意が必要です。
 房総半島の南側から諏訪湖を経て長野県の北部まで、小さな地震が増えています。房総半島の南側は三宅島と新島・神津島のマグマ溜まりの活性を表していますし、箱根山も富士山も、伊豆東部火山群も関連する位置に小さな地震を起こしています。関東は少し大きな揺れにも注意が必要です。長野県北部の地震は関東北部にも影響します。イラストに載せた地震の増えている領域と関連するエリアには注意が必要です。
 29日の半月に向けてこれから九州の余震の揺れが大きくなりやすくなります。こちらにも油断なく注意をお願いします。
 紀伊半島、志摩半島、南海トラフの状況は大きな動きなしです。こちらとしては活性化している御嶽山、白山、三宅島の状況に注意しています。太陽風速度は低下していますが、南向きの磁場が到来している様子でこちらにも注意しています。磁場が強まる分、揺れを大きくしやすい状況になり噴火にも影響しやすいです。
 10時39分に宮城県沖でM4.0震度2の地震がありました。栗駒山の分です。東北の地震もフィリピン海プレートの動きの影響が続いており、もうしばらく活発な様子です。

 三宅島のマグマ溜まりと思われる地震が奄美大島の東側で2回ありました。M5.5で震度は2ですが、深さが気象庁では10km防災研では100kmになっており、位置も含めてまだ正確な情報ではない様子です。IRISではM5.8とM4.7でした。
 三宅島は島の周辺だけでなく島の北東の方向にも地震を起こしていますし、火山性地震の活動も活発でした。東南海エリアの南側に地震を起こす可能性があると考えていましたが、ここは素通りの様でした。今後の小規模な噴火にも注意が必要です。
 他のエリアへの影響は様子を見るしかない状況です。富士山側へはエネルギーを抜く形になりますが、一時的に刺激を受けていますので注意は必要です。

 三宅島の地震計と空振計には、12時半頃から異変が現れていました。奄美大島の地震は12時44分と47分ですので、これよりも早い変化の始まりです。
 空振計は噴火時の空気の振動を計測する機器です。今回は火口から地下の振動が現れた物でしょう。イラストに載せましたので参照下さい。地震との相関は明らかですが、噴煙が雨天のために見る事が出来ず、気象庁のデーター解析待ちです。空振計の異変データーは噴火に分類する物かこちらでは区別がつかない物です。

 この奄美大島の地震もプレートの境界付近の地震になります。この場所からフィリピン海プレートの境界に添って諏訪湖と富士山まで動きを促す事につながるでしょう。その結果は白山と御嶽山のマグマ溜まりを潰すのみならず、南北の中央構造線の東向きの動きを促すでしょう。
 マグマ溜まりと構造線の交点の地震が促されることになりますが、連鎖の結果を待つしかないと思います。歴史的には紀伊半島の南北の中央構造線と白山の交点には地震が発生していますし、愛知から東南海エリアも御嶽山の地震の発生がある状況です。大きな物にならないことを願っています。