質量の98%を失うガンマー線バーストとブラックホール 11月6日 11月7日追記

 この記事は先史文明が伝える古からの地球の歴史と未来12、7)ノーベル物理学賞の問題について、の補足記事です。重力波を検出出来ているとする2017年のノーベル物理学賞ですが、この記事では想定されるブラックホールの質量が大きすぎることと、その衝突の発生頻度が高すぎる部分を説明します。
 現代のX線天文学の大きな謎であるガンマー線バーストという現象があります。太陽質量レベルが数分などの短い時間にガンマー線で放出される現象です。この原因が分かっていなかったのです。
 質量の発生メカニズムは、ようやくスーパーコンピューターシミュレーションで陽子一つの質量を計算出来るようになったところです。素粒子物理の進展であり、陽子の質量がその構成クオークであるUとDの3個ではなく、この3つの纏うグルーオンと呼ばれる糊の持つエネルギーにまとわりつくクオーク・反クオークペアの質量である事が間接的に証明されているところです。電磁気力とグルーオンの力でこれらの寄せ集めが陽子一つの質量を構成するのです。
 宇宙の恒星が燃え尽きて自分の重力で崩壊するとき、元々の重さに応じて褐色矮星になったり中性子星になったり、ブラックホールになると天文学の教科書には書かれています。
 この現象に質量の発生メカニズムを加えて考えると、中性子星が潰れてシュバルツシルト半径に潰れるまでの間に、グルーオンにまとわりついていたクオーク・反クオークペアがその距離を潰される事が起きるのは明確です。その結果はシュバルツシルト半径の手前ではガンマー線へのエネルギー変換です。一般に言われるところの98%の質量はクオーク・反クオークペアの物なので、これらが距離を数分の一に潰される事で爆発的にガンマー線として放出されることになるはずです。

 グルーオンは、中性子星が潰れるレベルになると、大元のクオーク間の距離が小さくなることで、隣の中性子のクオークにつくグルーオンとも干渉出来るようになるでしょう。グルーオンはグルーオンボールという異なる種類のグルーオンが集まってボールになる可能性を指摘されています。重力がグルーオンの代わりにクオークを押さえつけるので、グルーオンは存在意義を失うのです。この意味ではそのエネルギーをクオーク・反クオークペアに渡して消滅するとも思えますが、この辺りは寿命を考えて素粒子物理が計算を必要とする部分です。
 詳細はスーパーコンピューターシミュレーションで重力による潰れを計算すると判ることですが、概念で見る部分は状況を大きく予測出来るでしょう。
 まず現実の観測データーですが、ガンマー線バーストは一日に一度宇宙のどこかの銀河で起きると言われるレベルの発生頻度です。これは超新星爆発の頻度とほぼ同じレベルと思います。ガンマー線を出す時間の短さはその天体の小ささを表しており、ここで言う所の半径数十kmの中性子星以下に潰れる過程での現象である事と矛盾しません。太陽一つ分のエネルギーを一気に放出出来るのも、98%の質量を失う過程であれば問題なく可能でしょう。
 その結果で実際にどの様なブラックホールが生まれるかは、現実の観測データーを参考にします。ブラックホールは光っていないので見つけにくいのですが、中性子星同様に回転していますし、ペアの星を持つことが多いので中性子星の検出レベルには見つかっているはずです。以下Wikiにあるリストです。尚、ブラックホールは大きく分けて3種類があり大質量と中質量は銀河の発生メカニズムの中で生まれる物と仮定します。ここでは恒星の燃え尽きたタイプの恒星ブラックホールについての説明をしています。

恒星ブラックホールの一覧
Cyg X-1(はくちょう座X-1) 約9.5太陽質量
LMC X-3(大マゼラン雲X-3) 約9.0太陽質量
GS 2023+338(はくちょう座V404) 約6.3太陽質量
いっかくじゅう座X-1(いっかくじゅう座) 約3.2太陽質量
GS 1124+683(はえ座新星) 約3.1太陽質量
LMC X-1(大マゼラン雲X-1) 約2.5太陽質量

中性子星の一覧
パルサー、マグネターは中性子星の一種であると考えられているため、この一覧に含む。
1E 1048.1-5937 - 地球に最も近いマグネター。
4U 0142+61 - 原始惑星系円盤を持つ。
PSR B1257+12 - 初めて太陽系外惑星が発見されたパルサー。
PSR B1620-26 - 惑星を持つ。白色矮星との連星。
PSR B1913+16 - 間接的にだが重力波の存在が確認された初の天体。
PSR B1919+21 - 初めて発見されたパルサー。
PSR J0537-6910 - 宇宙で最も強い電場がある場所。
PSR J0737-3039 - 唯一発見されているパルサー同士の連星。
PSR J0855-4644 - ベラ・ジュニアと関連付けられている。
PSR J1748-2446ad - 既知で最速の自転をするパルサー。
PSR J1719-1438 - 惑星を持つ。既知で最短の公転周期、最小の公転半径を持つ惑星系。
PSR J1909-37444:最も軌道離心率の小さい天体。
RX J0822-4300 - 既知で最も高速で運動する中性子星。
RX J1856.5-3754 - 知られている中で最も太陽系に近い中性子星。
SGR 1806-20 - 最も強い星震を起こしたマグネター。
かにパルサー
ゲミンガ - 強力なガンマ線源。パルスのない中性子星の初観測例。
さそり座X-1 - 初めて発見されたX線源。
ブラックウィドウパルサー - 伴星を蒸発させているパルサーの初観測例。
ほ座パルサー

 このリストだけを見ても一般の方には意味が分からないと思いますので、恒星の質量についての説明をしたいと思います。
 恒星の質量は太陽の150倍くらいがその形を維持出来る限界とされています。天の川銀河で見ると、以下のリストがその先頭部分です。

質量の大きい恒星の一覧
固有名又は番号  質量 (太陽 = 1)
R136a1 約265
ピストル星 200 - 100
R136a2 195
R136c 175
WR 101e > 150
HD 269810 150
VFTS 682 150
NGC 3603-A1a 147 - 85
136a3 135
NGC 3603-B 132
Arches-F9 131.3
WR 102ka 130 - 70

 質量獲得メカニズムが98%の質量をガンマー線バーストで失うとすると、見つかっているブラックホールの質量が最大10なら500太陽単位の重さの恒星が燃え尽きた事になります。これは元の重さが重すぎるのであり得ないでしょう。
 恒星は普通に二重星からそれ以上の重星を構成します。この中の一つが燃え尽きで2太陽単位程度のブラックホールになり、次々に隣の恒星のガスを吸い込み続けると10太陽単位のブラックホールに成長出来るでしょう。
 この考えで見ると50と60太陽単位のブラックホールの二重星はほとんど生まれないことになります。

 ガンマー線バーストの過程ですが、ここでも爆発現象として難しいシミュレーションが必要になります。どの様に質量を失い重力を失うかで、ブラックホールの重さに影響があると思われるのです。
 問題はシュバルツシルトの向こうにどれだけの質量を爆発で送り込めるかです。例えば100太陽単位の重さの恒星の場合、98%をガンマー線に転換出来れば残り2単位がブラックホールでしょう。これに対して1単位くらいのブラックホールに残り50単位の質量を送り込む爆発をしても良いのではないかという話です。
 これにはもう一つ検討する必要のある話があり、シュバルツシルトの向こう側でクオーク・反クオークペアがガンマー線に変わるかどうかです。これは分からない部分ですが、現実に観測されているブラックホールに50~100太陽単位の重い物がないので、可能性としてはガンマー線へのエネルギー変換が起きて質量を失い重力も失うのでしょう。ただ決めつけはしません。計測数がまだ少なすぎるのです。この意味ももちろん大半が中性子星になってしまうと言う事なのですが、可能性を否定するところまでは行かないでしょう。
 こちらとしてはここまでの議論で、重力波を生み出したと言われるブラックホールの二重星が、現実的な存在確率としてこれまでの予想よりもはるかに低い部分は証明出来たも同然でしょう。現状の重力波を生み出した太陽質量数十倍のブラックホールの二重星の衝突は4件だったと思いますが、これが発生する頻度をガンマー線バーストによる質量のロスを考えずに計算している部分は明確でしょう。この意味で頻度が一桁以上高すぎるはずです。

 銀河系の中心には400万太陽質量のブラックホールがあります。これは形成メカニズムが全く異なり、銀河の形成初期に中心に落ち込む質量が構成している物でしょう。その周辺に50~100単位の中質量のブラックホールが生まれる可能性があり計測されている物もあると記憶しています。こういった物が都合良くペアになって衝突する可能性もゼロではありませんが、恒星由来ブラックホールよりもはるかにその数は少ないでしょう。
 ブラックホールの質量についての考察にはまだ続きがあります。素粒子論からの検討事項です。ブラックホールの内部でクオーク・反クオークペアがガンマー線に変わるかどうかの議論の続きです。ここではホーキング放射を参考にします。
 ホーキング放射はブラックホールの理論研究を大きく進展させた発見です。量子重力理論という難しそうな名前の分野です。手持ちの一般相対性理論の教科書にはきちんとした説明がなかったので、量子重力理論の教科書(量子重力理論入門)を入手して目を通しています。
 一通りを理解出来たとは言いませんが、数学的に計算されている部分はしっかりしていても、これを現実の物理にする部分はやはり、仮定を含んでいるでしょう。一般相対論の教科書は簡単に説明するために現象論を書くのですが、ここでは光子と反光子のペアがブラックホールの手前で生まれて、光子が宇宙に逃げるときに反光子がブラックホールに吸い込まれてマイナスのエネルギーになり、質量を失うという物でした。
 素粒子物理の基本では、反光子は存在しません。これを強重力場の量子ゆらぎの中で認めるかどうかにかかっていると思います。

 こちらの続きはこの理論の応用をシュバルツシルトの向こう側に持ち込むことです。そうするとさらに様々な現象に目を向けることになります。
 ホーキング放射では、光子と反光子のペアが生まれて、一方がその束縛から逃げられるとしています。量子力学的揺らぎの制約なので、同様にクオーク・反クオークペアにも適用出来るでしょう。もちろんこの場合は質量があるので簡単にシュバルツシルトの向こう側に吸い込まれてゆくのですが、ここでの注目はその束縛から逃げられる事です。すると何が起きるでしょうか。
 クオーク・反クオークペアは双方とも正の質量を持っています。マイナスの質量ではありません。一方にマイナスのエネルギーを持たせる必要があるので、時間の反対向きに動くという変な事が起きるのです。これは反光子も同様です。
 本来であれば量子ゆらぎの中で消えるので、質量が発生することはないのですが、今回はシュバルツシルトの向こう側に吸い込まれて、かつその束縛から逃げられるのです。
 ブラックホールのトータルのエネルギーではゼロですが、質量がゼロになれないという変な事が起きるのです。クオーク2個分の質量が増して重力も増えるはずですが、こんな事が起きるのでしょうか。これはホーキング放射を起きるとすれば同様にブラックホールの内部で起こりうる反応です。ホーキング放射は質量を減らしますが、こちらは増やす効果なのでどこかに釣り合うところがあるでしょう。

 この話にはまだ続きがあります。シュバルツシルトの向こう側の現象は判らないので、ブラックホールの性質から続きの議論が出て来るのです。ブラックホールには電荷と質量と角運動量があると定理で査読が語るのです。ここではこの計算を信じることにします。
 クオークのUとDが中性子星からブラックホールに送り込まれる物質です。クオーク・反クオークペアの消滅には寄与しないので、そのまま内部に運ばれて、重力の源になっていると思います。クオークには電荷も、質量も、角運動量も保持可能です。そしてその大きさはまだ証明されておらず、中性子よりはかなり小さいと言える状況です。
 ホーキング放射同様にして、ブラックホールに送り込まれてくるクオーク・反クオークペアですが、この一方の反クオークは電荷が反対なだけなので、元からブラックホールに存在している中性子星由来のクオークと対消滅してガンマー線になれるのです。
 もちろんこの反応が可能なためには、ブラックホールの中にクオークが充満している必要があるのです。これがシュバルツシルトのぎりぎり外なのか、中なのか、私たちには判らないですが、ブラックホールの大きさはシュバルツシルトのレベルが観測出来ているのではないかと思います。
 訳の分からない話だと思いますが、ここでの注目はクオークがブラックホールの内部でもその個性を失わないことと、その充満は中心の重力無限大の特異点をなくします。この部分が重要であり素粒子論の要請になるのです。加えて質量が増加し続ける問題も回避されます。

 まだ続きがあって恐縮ですが、もう一つ重要な論点があるのです。上記に書いた50太陽単位の質量がブラックホールに送り込まれた場合の話です。
 ブラックホールは51太陽質量単位になってめでたしめでたしなのですが、ここからクオーク・反クオークペアの対消滅とガンマー線へのエネルギー変換が起きるのです。シュバルツシルトの向こう側では光速度以上の重力なので、光速度であるガンマー線は存在しにくいので転換出来なくなる可能性もあるでしょう。それでもホーキング放射の類推から考えると消滅してゆくでしょう。これは有限な時間の出来事です。
 この時に何が起きるかが問題です。シュバルツシルト半径は51太陽質量単位から2太陽質量単位の大きさに縮むのです。この時にその差分の内部にあった物質は、シュバルツシルトの向こう側から現世に帰ってくるのです。普通に考えるとあり得ないことになるのですが、重力が質量と共に失われる以上、有限な時間の中では起こり得る現象です。
 ブラックホールが生まれた瞬間にその内部の情報が失われて、クオークの個性が失われるのであれば、クオークは元の状況には帰ってこれないでしょう。再物質化しないという意味です。実際にはどうでしょうか。
 確実なのは、クオークの大きさがぎりぎりシュバルツシルト半径であれば、帰ってこれるのです。個性を失わないからです。
 クオークも元はエネルギーであり、反クオークを加えるとガンマー線になれるのです。エネルギーその物でしょう。E=mc^2で質量と光速度は結びついており、光速度の制限が様々な所に顔を出すこの世界の制約なのでしょう。電子も加えてここにある質量こそ重力の源なので、質量が生み出す重力は、自分自身を破壊しない様にする仕組みを持っている様に見えています。光速度という縛りです。将来誰かが方程式にしてくれるでしょう。

 こちらとしてはホーキング放射とミニブラックホールの蒸発に異を唱えておきます。答えが明確でないのだから、私たちの科学としては両論併記が筋ではないかと思います。こちらの客観性がある程度支持され証明される必要もありますが、クオークがシュバルツシルト半径の内側から帰ってこれると思います。
 ブラックホールは自分の重力でシュバルツシルト半径を維持出来なくなるときに、その外側に内部のクオークがにじみ出してくることになり、中性子星の半径まで来ると物質化するでしょう。その途中はクオークが海を形成する状況です。この状況がガンマー線バーストが発生しているときに起きている可能性を感じるのです。
 あと、ブラックホールは実験出来るはずなので、ガンマー線バーストが起こせると宇宙論も素粒子論も大きく進歩するでしょう。加えて、質量獲得メカニズムに干渉して質量を失わせた状態の実験にも興味ある結果を生み出せるでしょう。反対にシュバルツシルト半径まで潰されて、元に戻ってくる課程にも大きな興味のある現象が待っていると思われます。蒸発するかどうかも明確になるでしょう。

 ブラックホールの蒸発とホーキング放射については、起きない場合もあるとしたいところです。クオークがシュバルツシルト半径の向こうから帰ってこれると思います。まだ適切には実験出来ていない部分なので、実験結果が出るまでは両論併記で良いのではないかと思います。
 ガンマー線バーストによる質量の喪失現象は、すぐに天文の物理として計算すべき大きな問題でしょう。これまで質量獲得メカニズムを考えてこなかったことが原因で、ブラックホールの数と重さを過大評価していたと思います。この部分は星の一生として見直されるべきであり、ガンマー線バーストによる質量の98%の喪失が中性子星とブラックホールを生み出していると説明されるようになるでしょう。

稲生雅之
イオン・アルゲイン

簡単な説明イラストは時間のあるときに書きたいと思います。

追記
 もう一つ重要な事に気づきました。重力の存在と質量の存在は等価なので、重力の存在はクオークの存在を証明するに等しいでしょう。等しいであり完全な証明ではないのですが、もう一点強調出来る事がありました。
 もしクオークが重力場により潰されてエネルギーに変わると、ガンマー線に変わるのですが、この時にエネルギーになるのであって質量を失い重力を失うのです。これを反対向きに考えると、クオークが潰れずに重力を維持しているからこそ、ブラックホールは成り立つという事になるでしょう。クオークがさらに小さな質量を維持する構成物質になる可能性も含めてです。
 今のところ太陽質量の約200億倍まではブラックホールと思われる星を計測出来ています。この意味はこの重さでもまだ、クオークは潰れることがなく、質量と重力を維持出来ていると言う事に可能性があるのです。もちろんビックバンのレベルになるとエネルギーに還元されていると思います。そのレベルがどこにあるのか、この先の素粒子と重力理論が答えを準備する事になるのでしょう。
 考えてみると、このリミットでは超大質量ブラックホールは強烈なガンマー線バーストを起こして宇宙を照らすでしょう。重力は弱まりその分のエネルギーが吹き出してくるのです。いきなり全部のクオークがエネルギーになるのか分かりませんが、これだと大きさ次第でビックバンとあまり変わらない状況かも知れません。この時の空間の状況次第であり宇宙論にも影響する話でしょう。
 今観測出来ているガンマー線バーストによる恒星の崩壊では、ブラックホール内部のクオークが潰れてさらに崩壊するガンマー線バーストは起きていないでしょう。計測質量より明らかであり、まだこの上限がどこにあるのか私たちは知らないでしょう。今の宇宙年齢ではクオークは潰れていない可能性を高めていると思います。

追記2 空間の広がりについて
 イラストを描く準備をしていたのですが、ビックバンに関連して書いておく必要のある状況が明確になりました。こちらが長年疑問に感じていた部分でもあるので、その点を明確にしてビッグバンという物についての疑問を投げかけておきます。空間はこの時から拡がっていったのかについての疑問です。
 クオークに大きさがあって潰れる限界があるという仮定の下の話の続きです。私たちの宇宙は137億年くらい前のビッグバンで誕生し現在まで拡大を続けていることになっています。この状況を時間で何兆年も早送りして、銀河がブラックホールに飲み込まれて、ブラックホールがその重力で近傍のブラックホールを引き寄せて、どんどん重くなって行くという仮定です。ブラックホールの蒸発は起きず、内部のクオークが潰れてガンマー線バーストを起こす未来の一つの例です。
 ここでは一つのブラックホールにまで集められたと仮定します。そして同時にクオークの潰れる限界が到来して、全てのクオークがガンマー線に変わるとします。
 実際には中心から反応が進み、衝撃波のような感じで外部に拡がることで、クオークをガンマー線に変える部分も出てくると思います。こうして多量のエネルギーと外側の少量のクオークが小さな空間から吹き出すとします。この時何が起きるでしょうか。
 こちらの伝えたいことは、ビックバンと変わらない状況の再現です。教科書には空間もこの時から生まれたように書かれているのですが、空間は本当にこの時から拡がっており、何らかのエネルギーによって作り出されているのでしょうか。

 超大質量ブラックホールの大半のクオークから引きおこされるガンマー線バーストで考えると、この時点で周辺に物質は存在しない事になります。空間は存在するのですが、その端がどこにあるのか私たちには判らないでしょう。暗くて何があるか判らないという意味です。
 この時に発生するガンマー線バーストにより、重力を失う中で高密度のエネルギーが生み出されて拡がり、拡がりに対応して温度も下がって物質化してゆくでしょう。全ての物質は巡り巡ってガンマー線バースト時の外部に押し出される運動量を持っています。この運動量がその後物質化する銀河を遠ざける働きをするはずです。この状況は今の私たちが観測している赤方変位であり、「空間が拡がっているのではなく」物質が拡がっているだけなのです。
 現在の物理の考える空間の構造には、超弦理論などコンパクト化した空間が存在します。こちらはこの様な物をエネルギーが作りだし、ビッグバン後に拡げているのかと考えていたのですが、空間は始めから存在し、単に後からエネルギーが物質として広がっているというイメージの方が現実に近いように見えて来ました。
 私たちには始まりがあったのか、それとも繰り返しているビッグバンの何回目なのか、区別がつかない状況に可能性があるという事になります。

 この記事は、先史文明が伝える古からの地球の歴史と未来の補足として書いてきています。もし始まりがあるのであれば、あの世の存在達がエネルギーをかき集めてビックバンを起こし、現在があるかも知れないと書くところです。この時のエネルギーの内容をこれまでは理解しておらず、このエネルギーからコンパクト化した空間も生み出されているのかと考えて来ました。
 今回判明した恒星の終焉時におけるガンマー線バーストと、可能性のある遠い未来のブラックホール内部のクオークが起こすガンマー線バーストは、ビックバンとの類似性を教えてくれています。ぎゅうぎゅう詰めのクオークを中心から超高圧のガンマー線で拡げるので、始まりでは光速度を越えたインフレーションにも可能性があるでしょう。
 彼らは始めに空間を生み出し、その後にクオークの塊を準備して原子爆弾のように一カ所にぶつけて、ウランの臨界爆発の様にクオークが潰れるガンマー線バーストを起こしている可能性があると思います。あの世の存在達の話が聞けるようになるときに分かることかも知れませんが、ビックバンの具体的なメカニズムになる部分です。ガンマー線バーストには一例が示されているように感じられるのです。
 私たちはまだ空間の性質を知らないのです。宇宙のエネルギーについても存在しないはずのダークマターをまだ理論から排除出来ずにいます。宇宙が将来再び収縮に向かいもう一度1点まで収縮するなど、宇宙の状況を理解するにはまだまだ理解出来ていないことが多すぎるでしょう。統一場の理論が空間を説明出来るようになって初めて、素粒子論から来る物質の未来と、空間理論から来る空間の未来を考える事が出来るようになるのでしょう。一般相対性理論は空間理論と考えますが、コンパクト化している空間を考えないとその未来は明確にならない様子です。

 現在の科学者達はあの世の話をオカルトにすることが大半です。その一方で西洋では大半がキリスト教徒なのですから、内部に矛盾を抱えていることは確かでしょう。現代科学の観点からはバチカンの作り上げた処女懐胎も復活も嘘でしかないことは彼らには明確です。関連記事に書いてきた地球の過去を知れば尚更です。この矛盾に向きあうことこそ、この世界の現実を知る事になる部分を知って欲しいと思います。見たくない物から目を背ける姿勢は査読と共通であり、ここでも客観性に欠けているのです。
 こちらの考えの中では、あの世とはXYZの空間軸が共通で、残りの次元がこの空間とは異なる世界です。重力が歪ませるのは空間その物ではなく、標準座標からの歪み量を力として考えます。カラビヤウ6次元空間からと思われる相互作用が質量を生み出す世界がこの世であり、あの世にはカラビヤウ6次元空間とはほとんど相互作用のない別のカラビヤウn次元を考える事になります。大きくは時間と質量に対する影響が異なるのでしょう。質量はあの世にはなく、時間も異なるのでこの世との相互作用にわずかな物しか存在しないと思えるのです。エネルギーは一部で共通する物が存在するのでしょう。
 一般の方には理解しにくいところですが、宇宙の始まりのビッグバンにおいて、そのエネルギーがカラビヤウ6次元空間らしき物を作り出して拡げている部分を否定しないのです。このカラビヤウ6次元空間はコンパクト化していますが、エネルギーを元に作り出せると考える事を否定出来ないのです。始めの一度のみこの空間生成が必要なのかと思います。もしくは空間の性質で宇宙が縮む時にはエネルギーとして回収出来るのかも知れません。私たちの科学ではまだ判らないのです。

 素粒子論から来るガンマー線バーストを利用する事で、大規模なビッグバンが可能な事を推定出来るのですが、この場合には質量の拡散が起きるだけです。この状況を現在に当てはめる事にも全く問題はないのですが、同時に空間が拡大しているという状況を確認するには、私たちの科学はまだ未発達です。空間の広がりを説明する理論をまだ持たないからなのです。
 あの世のカラビヤウn次元とこの世のカラビヤウ6次元空間には、らせんの力を通じての相互作用に可能性を残しています。これはあの世のエネルギーをこの世に送れる部分がこの力による作用だと感じるからです。この部分はまだ、あの世の存在と話せる霊能力者にしか実感出来ない部分ですが、あの世の声を聞く機械を実現出来れば多くの方にも実感出来るでしょう。そしてこの部分こそ地の声と同様にあの世の情報をこの世に伝える部分であり、小さくとも必ずその相互作用を持つと思われます。
 この世とあの世の共存こそこの世界の実態であると、一般の方に理解されるように科学を進めて行けるでしょう。この世の特徴である量子力学は定常状態の科学ですが、らせんの力の科学は渦を生み出す過渡状態の科学です。もしかするとこの部分は量子ゆらぎのない世界と思われ、この部分にあの世の特徴が現われているようです。こういった切り口が見えてきており、科学としてあの世を知る部分を進めて行けるでしょう。宇宙論も進展しビッグバンの状況を理解出来るようになってゆきますが、同時に地の声として実在するあの世の在り方にも多くの理解が進む事になるでしょう。あの世も客観的に科学出来るのです。
 判りにくい部分ですが、現実の空間をF=f(XYZ+カラビヤウ6次元空間)では完全には表現出来ないと言うことであり、F=f(XYZ+カラビヤウ6次元空間+カラビヤウn次元)であるはずという話です。エネルギーがカラビヤウ6次元空間に逃げているところを探している現代物理実験ですが、将来さらにカラビヤウn次元にも逃げ出していることを発見することになるでしょう。この部分はこちらとしてはあの世の声を聞く機械でもあります。

以上